さらに進化する大阪梅田!再開発情報まとめ

不動産

都心に残された”最後の一等地”と言われた梅田北ヤード跡地。

この最後の一等地という表現は、東京では汐留でも使われたりして、バブルが崩壊して以後開発されずに残された規模の大きな土地に対してのフレーズでした。

 

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東京に投資が集中する中で、目立った大規模な再開発は政令指定都市など一部に限定されていますが、大阪梅田は街が様変わりするほどの規模の再開発が予定されています。

 

 

 

なにわ筋線と梅田地下駅の開業(2023年春)

 

2031年に開業予定のなにわ筋線と、うめきたの地下に新駅が開業する2023年前後には梅田の街がさらに進化します。

 

 

元々梅田エリアにはJR大阪駅を中心に、阪急梅田駅、阪神梅田駅、大阪メトロ御堂筋線梅田駅、谷町線東梅田駅、四ツ橋線西梅田駅、JR北新地駅の7つの駅があります。

この7の駅を合計した1日の乗降客数は約240万人で、新宿、渋谷、池袋など東京の主要駅に次ぐものとなっています。

 

この梅田エリアに関西国際空港から直通のなにわ筋線が乗り入れてきます。

現在は関空から梅田まで最低でも1時間かかっています。

 

この為、インバウンドなどは難波エリアで立ち止まってしまい、梅田まで足を延ばすのが億劫となっていましたが、これがなにわ筋線の開通によって最短40分に短縮されます。

 

これにより、関空から梅田へ向かう需要が大いに喚起され、さらに大阪やその周辺においてもビジネスがしやすくなる環境が整う為、益々梅田のポテンシャルが高まります。

 

引用:JR西日本ホームページ

大阪駅北地区のうめきたエリアでは、周辺地域との一体的なまちづくりが進められています。その西側を縦断している東海道線支線の梅田信号場(旧梅田貨物駅)では、まちづくりと一体となって約1.7キロメートルの地下化工事が計画されています。地下化により、踏切の除却および交差道路の安全性向上が図られます。

あわせて、大阪駅に近接して新駅(仮称:うめきた(大阪)地下駅)を設置することで、関西国際空港へのアクセスおよび広域ネットワークの強化に大きく貢献することが期待されています。

2023年春の地下化と新駅開業をめざして工事を進めています。

 

なにわ筋線は、うめきた(大阪)地下駅(2023年春開業目標)と、JR難波駅および南海本線の新今宮駅をつなぐ新たな鉄道路線として関西高速鉄道が鉄道施設を整備・保有し、JR西日本および南海電鉄が鉄道施設を使用して旅客営業する計画です。なにわ筋線の整備により、関西国際空港や新大阪駅へのアクセス性の向上、鉄道ネットワークの強化、大阪の南北都市軸の強化などの効果が図られることになります。2031年春開業に向け、関係者と協力し計画を進めています。

 

2020年3月26日追記:うめきた地下新駅とJR大阪駅が同一の駅になります。

 

大阪梅田ツインタワーズ・サウス(2022年4月)

 

 

大阪梅田ツインタワーズ・サウス イメージパース

 

2006年に歴史的な経営統合がありました。

阪急グループ阪神グループ

 

非常に仲が悪いことで”定評”のあったこの2社が合併することになり、全国ニュースとなりました。

阪急百貨店と阪神百貨店も、新たに設立された阪急阪神ホールディングス傘下となり、運営会社も阪急阪神百貨店の1社として再スタートします。

 

阪急百貨店と向かい合って位置していた阪神百貨店ですが、この合併により両百貨店の建て替えが大きく進みました。

 

在りし日の阪急百貨店(建て替え工事中)と阪神百貨店

 

阪神百貨店は梅田本店の売上依存度が極めて高く、阪神グループ単独では建て替えによる機会損失が桁違いな為、不可能と思われていました。

また、阪急百貨店も阪神百貨店ほどではありませんでしたが、梅田本店への依存度が高く、合併前の2005年に解体工事が着工された際も2期に分けて順次建て替えが行われ、完成まで7年かかりました。

 

巨大なビルに生まれ変わった梅田阪急ビル(2022年春に大阪梅田ツインタワーズ・ノースに改称予定)

 

 

阪神百貨店の建て替えは、隣接する新阪急ビルと合わせて12,000㎡を超える敷地(一部道路をまたいで利用)、延べ床面積約25万㎡、Ⅰ期(2014年着工)とⅡ期(2018年着工)で完成が2022年春、阪急百貨店の建て替えと同じく、足掛け8年のビッグプロジェクトとなります。

阪神百貨店も新阪急ビルも梅田を象徴する建物でしたが、近年は周辺のビルが高層化、近代化してきたことにより、やや影が薄くなっておりました。
しかし、この建て替えにより大阪を代表する建物に生まれ変わります。
百貨店ゾーンは地下2階から地上9階までの11フロアで、延床面積100,000㎡の国内有数の広さを持つ巨大デパートになります。
また、オフィス部分の1フロアの基準階貸室面積が3,500㎡(約1,058坪)というのは、大阪市内では極めて珍しい広さです。
これまで梅田で最も存在感があったのは梅田阪急ビルで、地上41階建、高さ187mでオフィス部分の基準階貸室面積が約2,810㎡(約850坪)でした。
大阪梅田ツインタワーズ・サウスの概要

敷地面積:12,192.83㎡ / 建築面積:10348.95㎡ / 延床面積:約258,856.89㎡

階数:地上38階建 地下3階 / 高さ:188.9m / 基準階1フロア貸室面積:約3,500㎡

大阪中央郵便局建て替え工事(2024年3月)

 

長年親しまれてきた大阪中央郵便局の建て替え事業です。

今ほど自動車が普及していなかった時代、郵便局で扱う配達については元々電車が主流でした。

東京中央郵便局や大阪中央郵便局はそれぞれ東京駅前(丸の内)、大阪駅前(梅田)という超一等地にあったのはこの為です。

 

京都、福岡、札幌、広島などの大都市の多くも、街の玄関口である駅前に中央郵便局を構えていました。

 

 

在りし日の大阪中央郵便局は、濃いグレーの色調で、1939年(昭和14年)竣工の西洋近代建築の傑作と言われていました。

 

すでに大部分が解体され、この姿は拝めなくなっていますが、旧局舎の一部は保存されて新ビル内の吹き抜けのスペースに利用されることになりました。

 

現在、虹の橋がかかっているイラストの壁で囲まれた部分が保存される局舎の一部です。

隣接する大弘ビル(解体済)とアクティ西駐車場と合わせて一体開発されます。

 

オフィス部分の1フロアの基準階貸室面積は、前述の大阪梅田ツインタワーズ・サウスをも上回る約4,000㎡(約1,200坪)ということで、東京でも珍しいほどに巨大なオフィスとなります。

 

建物の低層部は商業施設や劇場などの文化施設、11階から27階はオフィス、29階から38階がホテルになる予定です。

新ビルの名称は東京や福岡、名古屋の例に倣って「KITTE大阪」になる可能性が高いです。

 

梅田3丁目計画の概要

敷地面積:約12,920㎡ / 建築面積:約9,500㎡ / 延床面積:約227,000㎡

階数:地上39階建 地下3階 / 高さ:約188m / 基準階1フロア貸室面積:約4,000㎡

 

JR大阪ステーションシティ新ビル(2024年秋)

 

2011年にJR大阪駅は南北の2棟の巨大な駅ビルに挟まれる形で、天井を大きなドームで覆う圧倒的な迫力の駅に生まれ変わりました。

 

ノースゲートビルディング建設中の写真(2009年当時)

ノースゲートビルディングとドームが完成した現在のJR大阪駅

 

これで終わりではありませんでした。

1日平均80万人以上の乗降客をさばくJR大阪駅には、桜橋口、中央、御堂筋口、御堂筋南口の4つの改札に加えて、2011年にはホームの上に連絡橋口改札ができ、5つとなりました。

 

それでも通勤ラッシュの時間帯は非常に混雑しています。

これまでで最も西側に位置していたのが桜橋口ですが、さらにこれよりも西側に改札ができます。

 

 

現在の桜橋口改札への階段付近と、ホームの西端の様子です。

このホームの西端に新たな改札への階段ができる予定です。

新たな西端の改札は1階部分、現在の梅小路あたりになります。

 

 

梅田3丁目計画のビルや、西梅田(大阪ガーデンシティ)のビル群などにアクセスがしやすくなります。

加えて、北梅田の新駅や「うめきた2期のエリア」への導線としても期待されます。

 

 

驚きなのが、なんと新改札ができるだけではありませんでした。

 

大阪ステーションシティのノースゲートビルディング西側に新駅ビルが計画されています。

梅田3丁目計画と合わせて、イメージパース通りになれば、JRの線路を挟んで新たに巨大なビルの谷間が出現します。

 

 

建設予定地の現在(2020年3月上旬)の様子です。

まだ線路の工事中で、タワークレーンなどはありません。

 

ビルの大部分を占めるオフィス床面積は22,000㎡ほどの面積になります。

 

現在大阪市内…とりわけ梅田近辺はハイグレードオフィスビルの空室率が1%前後となっており、極端に供給が不足していますので、こちらの新ビルもひっ迫したオフィス需要を埋める大きな助けとなるでしょう。

 

大阪駅西新ビル(ウエストゲートビル?)の概要

敷地面積:不明 / 建築面積:不明/ 延床面積:約59,000㎡

階数:地上23階建 地下1階 / 高さ:約120m / 基準階1フロア貸室面積:不明

うめきた2期エリア(2027年春)

 

梅田エリア再開発の目玉は何と言ってもこちらです。

 

なにわ筋線の新駅開業に伴って、インパクトのある巨大な新ビル開業もかすんでしまうほどに、すさまじい規模の再開発になります。

 

うめきた2期 開発イメージ 大阪市ホームページより

 

ちょうどグランフロント大阪を突っ切る東西の道路が延長される形で、民間宅地としては北街区と南街区に分かれます。

これとは別で、後述の都市公園が整備されます。

 

尚、北街区の敷地面積は15,726㎡、南街区の敷地面積は30,429㎡となっています。

 

北街区には地上28階(高さ150m)のホテルや地上47階建(高さ176m)の分譲マンション、南街区には地上39階(高さ182m)の商業・ホテル・オフィスの複合ビルと、地上51階(高さ185m)の分譲マンションが計画されています。

 

 

かつて、ヨドバシカメラ梅田が開業した時は「梅田の人の流れを変えた」言われました。

しかし、うめきた2期が完工すれば梅田の人の流れが変わるどころではありません。

 

大阪…近畿地方の人の流れすら変えてしまうかもしれないインパクトがあります。

非常に大きな要因として、巨大な都市公園の造成があります。

 

 

都市公園の規模は北街区20,000㎡と南街区25,000㎡を合わせた45,000㎡となります。

 

梅田には訪れる人を収容する規模の大きな公園はなく、梅田の中心部から1km以上離れた扇町に扇町公園や、大阪市役所付近(梅田から見て淀屋橋の手前)に中之島公園がある程度です。

 

梅田に大規模のこういった憩いの場ができるのは、これまでの再開発ではなかなか実現できませんでした。

 

現在は梅田のはずれにある梅田スカイビル

 

新梅田シティ(主要施設に梅田スカイビルとウエスティンホテル)は約7,000㎡の緑地を自前で造成しましたが、梅田の中心から遠いこともあり、なかなか認知されませんでした。

 

尚、これまで地上を走るJRの支線が邪魔をして陸の孤島となっていたこの新梅田シティは、うめきたⅡ期の再開発によって、ようやく一つの街として連なることになります。

 

まとめ

 

東京に富が一極集中する現在の日本にあって、大阪の地位は年々低下しています。

それでも大阪の、特に梅田の勢いは東京を除く他のどの都市にもないエネルギッシュなものになっており、今後ますます人を集める巨大都市になっていくことでしょう。

 

来るべき2025年の大阪万博開催が大阪経済躍進を支え、その後のIR構想なども大きな注目を集めています。

 

政府が目標に掲げる観光立国に関連して、外国人旅行客も相当な数が大阪に訪れており、東京にも決して負けていません。

 

不動産投資をお考えの方は、まずは東京で、というのは間違いではありませんが、買い進める中で東京に集中してしまうと、万が一災害などで東京が停止してしまった時に大変です。

 

 

これは政府の運営についても強く言えるのですが、リスク回避の為副首都など、代替機能についての構想は本気で考えなければならない時期に来ていると思います。

 

そんな期待?を背負って、大阪の街はこれからもどんどん発展していきます。

今後も注目です…!

 

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コメント

  1. KK より:

    大阪もかつての勢いを取り戻す必要がありますね。東京一極集中には大反対です。首都機能を大阪に変えるべきでしょう。ニューヨークとワシントンンみたいにすべきですね。

    • モアぞう ぬん より:

      そうですね。
      東京一極集中は私もず~っと危惧していましたが、ますます加速していますね。
      伊丹空港跡地の副首都構想はどこへやら…。

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