引越しの初期費用について

不動産

”引越し貧乏”なんて言葉があります。

短期的に引越しを重ねることでどんどん貧乏になっていく様です。

 

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時は令和。

昭和、平成と時を経て、部屋を借りるにあたって引越しに要する費用は昔と比べてどう変わっていったでしょうか。

 

礼金の成り立ち

 

1960年代から1970年代にかけて、高度成長期に地方から都市部への人口流入が顕著になり、賃貸住宅は激増しました。

当時は4畳半でトイレは共同、風呂は近場の銭湯などが当たり前でした。

昔のアニメなんかを見ると、一人暮らしをしている人の家はだいたい畳で、木造のアパートです。

東京を中心に「礼金」の制度ができます。

 

これは地方から東京などの大都市に子供を送り出した両親が、現地の大家さんにお世話を頼む意味を込めての「お礼」としての意味合いがあった説が有力です。

 

当時は管理会社などはほとんどなく、大家さんが直接物件を管理することが多かったのです。

礼金の相場は賃料の3ヶ月分というのが多かったようです。

 

敷金は返ってこなかった

 

これとは別に「敷金」がありますが、こちらは退去時に何もなければ全額返還される金員ですが、現在と違い原状回復に対する考え方が大家に有利だった為、ほとんど戻ってこない、もしくは敷金だけでは足りずに追加で費用を請求されることが多く、社会問題にもなりました。

 

 

2001年段階でも、国民生活センターには敷金関係だけの相談が1万件を超えていました。

ネットが発達していなかったり、住宅が供給不足気味だった昭和当時は、悪徳大家や業者の存在もありましたが、大家が強い立場だった社会的な風潮もあって、敷金は返ってこないのが当たり前な状況でした。

 

2004年に東京都が独自に施行した「賃貸住宅紛争防止条例」、いわゆる東京ルールができました。

これは一言で言えば借主保護が目的。

 

退去時原状回復費用の負担については基本的に大家側。

 

モノを使っていたら多少傷ついたり、劣化してくるのは当たり前(経年劣化といいます)。

故意過失分(わざと傷を付けたり、誤って何か壊してしまったりすること)のみ賃借人の負担とすることを明文化しました。

 

この東京ルールが全国に浸透し、裁判でも経年劣化は大家側の負担とすることが明確になっていきました。

 

(1)建物・設備等の自然的な劣化・損耗等。時間が経つに連れて自然に劣化、損耗するもので、一般には経年変化といわれます。
(2)借りた人の通常の使用によって生ずる損耗等。通常損耗といわれます。

(3)借りた人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等。

※善管注意義務

借り主は借りている部屋を、相当の注意を払って使用、管理しなければならないということです。そのため、例えば結露のように、発生すること自体は仕方ない現象でも、それを放置して適切な手入れをしないがために、カビなどの被害を拡大させたという場合などは、善管注意義務に違反したとして、借り主の責任とされる可能性があります。

公益社団法人 全日本不動産協会HPより抜粋

昔は7桁必要だった引越し費用!?

 

こちらは全国的な話ではなく、大阪と兵庫の一部の話。

昭和後期、景気の良かった当時、保証金制度というのがありました。

 

この制度は敷金礼金制度と非常に似ていましたが、金額が非常に高額だったのが特徴です。

今でもオフィスビルの契約はほとんど保証金制度で、大都市のオフィスビルではだいたい賃料の10ヶ月分とか12ヶ月分などが相場です。

 

大阪府及び兵庫県の一部(主に東部)では、この保証金制度が採用されていました。

1980年代から1995年頃まで、非常に高い水準で推移していましたが、相場は新築で賃料の6ヶ月分とか10ヶ月分などでした。

 

解約時には「解約引」もしくは「償却」の記載で、こちらは賃料の3ヶ月分~5ヶ月分程度が相場となっていました。

これに照らし合わせると、例えば下記のような契約条件となります。

 

保証金80万円 解約引40万円 賃料8万円

 

保証金80万円ということは、前家賃や仲介手数料などを入れると、引越しの初期費用は100万円を超えます。

家賃8万円といえば、大阪や兵庫で言えば2DK~2LDKくらいの間取りになりますが、多くの方が新婚で新居を探す際に希望する間取りです。

 

結婚式や新婚旅行などの費用のほかに、この引越し費用が重くのしかかります。ツライ。

しかし、2005年頃になると、賃貸住宅の契約における保証金制度はほとんど姿を消しました。

 

供給過剰?初期費用は減少傾向に拍車

 

さて時計の針を現在に戻します。

今では敷金礼金ゼロ、保証金などは無く、仲介手数料ゼロの業者も増えてきています。

 

 

また最近ではOYOのようにスマホで契約を完了できるようなサービスも出てきて、場所や物件にもよりますが、引越しの初期費用は10万円以下など、かなり気軽に引越しができるようになってきました。

モノやサービスの値段が安くなる時というのは、供給過剰もしくは需要の減少があるのですが、大手FCなどに加入する賃貸仲介の業者が増加し、敷居が低くなったことも関係しています。

 

例えば30年前のそこそこ大きな駅の駅前を想像してみると、大手賃貸FCであるエイブル、アパマンショップ、ミニミニ、ホームメイト、いい部屋ネット、センチュリー21などは一切ありませんでした。

 

上記のFCの台頭はいずれもここ20数年前から10数年前にかけてでした。

 

個々でCMを打ち、安心感が生まれたことから競争が激化。

日本全体でも人口の減少が確実になってくると、賃貸住宅の供給過剰が目に見えてきてさらに費用が安くなっていきました。

 

 

日本の人口はすでに減少中。世帯数も2022年~2025年頃から減少してきます。

初期費用が安くなって、今度は賃料も安くなってくるはずですが、リノベーションで最新の設備を入れたり、人気のある間取りに変更するなど大家側も工夫しています。

 

部屋を借りる立場の人にとってはうれしいことが多いので、良いのですが、不動産オーナーにとっては受難の時代…いや、試練の時代。

勝ち組大家さんになるには、最新のニーズの理解と客付けが得意な仲介業者や管理会社とのパートナーシップが必須ですね!

 

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