賃貸住宅の経営で欠かせないのが修繕です。
入居者が部屋退去する度に内装工事やハウスクリーニングが必要なのは当然ですが、数年、十数年に一度訪れる大規模修繕が特に大きな負担で、不動産オーナーの頭を悩ませています。
不動産事業失敗の第一歩は劣化の放置
当然のことながら外観や共用部の劣化は避けては通れません。
問題はその劣化を気づけるか気づけないか、気づいても対策を打つか打たないかが不動産の運営において命運を分けます。
オーナー自身がきっちり管理していたり、管理会社が付いていたりすると気づきやすいですが、オーナーが遠方に住んでいたり、管理会社が頼りないとそもそも劣化に気づけないという致命的な事態となります。
管理会社が定期的な巡回などを行えない一番の理由は人手が足りない管理会社が多いことですが、そもそも経験不足でそこに目を向けられていない会社もあったりします。
賃貸管理は様々な問題が起き、その種類も多岐に渡る為、管理会社の力量というものは経験の豊富さにあります。
したがって、管理会社を選ぶ際にはある程度の歴史(実績)と管理戸数(最低でも2,000戸程度)は欲しいところです。
そして自主管理でも、管理を入れていても、定期的なチェックについては別途業者を入れてでも行っておきたいところです。
何故外観や共用部を綺麗に保つことが重要かを別の記事で詳しく記載しています。
建物に必要な修繕や設備あれこれ
元々が地主で、相続で不動産を取得した方も、投資家で新たなに不動産を取得した方でも、物件を保有し続けるか、それともいずれ売却するかで長期経営計画が変わってきます。
10~20戸程度の比較的小規模マンションの場合でも共用部だけでも必要な修繕箇所や消耗品は多いです。
共用灯、ゴミ捨て場のネット、エントランスドア、オートロック、長尺シート、タイル、植栽、集合ポスト、貯水槽、エレベーター、消防設備、防犯カメラ、アンテナ、駐輪場、駐車場のアスファルトや車止めなど多岐に渡ります。
尚、大規模修繕については以下の記事でご覧になれます。
カラスは害鳥に指定されていないので、駆除することは法律(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律/略称:鳥獣保護法)で基本的には禁止されております。
農業を営む方などは自治体の窓口で「有害鳥獣捕獲の許可」を受けることで駆除が可能になることはありますが、街中のカラスは衛生上問題があっても駆除できないので、多くの方が対応に苦慮しています。
一般的なカラス除けのゴミネット 大きさによって1,000円~8,000円。
使い方やカラスが出現する頻度次第で馬鹿にならない出費‥‥。
カラス除けネットの購入に便利
意外と金食い虫なのが植栽です。
夏場はとくに成長が早く、概ね1年に1度は剪定をしなければなりません。
また、物件が小学校などの通学路に面していて、かつ植栽が歩道などに越境している場合、自治会などから植栽剪定をするように通告される場合があります。
金額はマンション等の規模によりますが、業者に頼めば3万~10万円程度。
上記以下の金額になる場合はそれほどの労力は必要ありませんので、業者に頼まず自身で剪定を行うのも有りです。
屋外に面する共用階段や廊下などは長尺シートの劣化が早まります。
ほっておくとこんな風に…。
特に雨が降ったりして滑りやすくなっている時に、このようにつまづきやすい状態になってしまうと非常に危険です。
万が一事故が起こってしまった場合はオーナーの責任を問われかねません。
居住者だけでなく、建物の配置によっては外からも見えるポストですが、これが劣化していると管理できていない物件もしくはオーナーが美観に手を入れてくれないと見なされてしまいます。
仮にこういった物件を売却しようとした時に、ポストがボコボコだったら「一事が万事」と見られてしまい、リスクを織り込んでかなり安~い価格になってしまうので注意が必要です。
また、空室が出た際に新たな入居者を募集する場合、こういった状態を見たお客さんは真っ先に検討対象から除外されたり、賃貸仲介の営業マンにとって都合の良い当て物(あてぶつ:営業マンが本命の物件を良く見せる為に事前に見せておく物件)に使われてしまうでしょう。
最近ではネット通販が主流になりつつあり、宅配ボックスの需要が拡大していることに加え、サイズが大きめのポストも入居者に好まれる傾向が強くなってきています。
どうせ替えるならスペースが許す限り大きなポストにしてあげるのがお勧めです。
設置していない場合はダミーのカメラでも良いので付けておくことで入居者に安心感を与えます。
防犯を考える上で、泥棒の気持ちになるのが重要とよく言われますが、防犯カメラが付いている物件と付いていない物件があれば、付いていない物件を狙うのは至極当然の話です。
最近では自販機を設置すると無料で1台付けてくれるキャンペーンをしている会社もあります。
自販機は夜間でも明るくなることで防犯効果があることに加え、月々数千円の収益を生み、さらには防犯カメラ付きの自販機なんてものも出てきて一石三鳥状態になってきました。
自治体も防犯カメラ付きの自販機を推奨しています。
但し、一定の人通りが必要ですので、郊外の細い路地などでは厳しいのが難点です。
まとめ
賃貸住宅の運営は立派な事業。
したがって、日々のメンテナンスが欠かせません。
築浅でキャッシュが回っている物件も、いずれは修繕があちこちで必要になり、収益性が悪化していきます。
状態が酷くなる前に対策を打ちたいところです。
先立つものはやはりお金!小さな修繕でも積み重なれば大金になりますので、大規模修繕の積み立てと同様に、月々一定の積み立てが重要です。
そして何よりも大切なのが、建物の劣化に気づく為の巡回や点検です。
所有物件が遠方であれば管理会社に頼むのが良いですが、良い管理会社の条件は上にも書きましたが、実績と管理戸数に着目です。
もちろん他の要素も多々あり、実績や管理戸数がそれほど多くなくても対応が良い会社もありますが、あくまで一部。
一番判断しやすいのはやはりこの2つでしょう。
管理運営には”日常の思考と行動”が大事ですね!
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