先行き不透明な現代…先立つものはお金です。
お金に関する専門家と言えば、公認会計士や税理士などが有名ですが、どちらかと言えば会計や税金に詳しいイメージで、資産運用などお金に関する包括的なアドバイザーとしてはファイナンシャルプランナーが台頭しています。
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スキルアップするにあたって資格取得は最適です。
不動産業に従事する上でも、実生活においても役に立つ資格が、国家資格としてのファイナンシャル・プランニング技能士です。
今回は不動産関連資格の一つとしてのファイナンシャル・プランニング技能士の資格について解説していきます。
関連記事:不動産関連資格まとめ
この記事はこんな方にお勧めです。
ファイナンシャル・プランニング技能士とは
老後に2,000万円必要なんてことがまことしやかに噂される時代ですが、お金はいくらあっても困ることはありません。
ファイナンシャル・プランニング技能士は正式な資格名で、略称はFP(エフピー)です。
1級から3級まであり、技能検定ながらいずれも国家資格の位置付けです。
尚、似たような民間資格でAFPとCFPがありますが、こちらの記事では割愛させていただき、別の記事でご紹介します。
資格とは銘打ってますが、実は独占できる業務やこの資格がないとできない業務がある訳ではありません。
但し、正式名称であるファイナンシャル・プランニング技能士を名乗ることはできません。
尚、名乗る場合はそれぞれの等級を頭につけて、〇級ファイナンシャル・プランニング技能士のように名乗ります。
その名称からも分かる通り、お金にまつわることの専門家です。
税理士や宅建士のように専門分野が特化されていたり独占業務が無い分、どちらかと言えば非常に広い範囲を網羅した資格といえます。
その分野はライフプランニングと資金計画(年金等)、リスク管理(保険等)、金融資産運用、タックスプランニング(税金等)、不動産、相続・事業承継の6分野に大別されます。
この6分野に精通すれば資産運用に関することの大半を理解することができます。
不動産関連の資格と位置付けられるのは、6分野のうちの一つに「不動産」の項目があるのと、「タックスプランニング(税金関係)」や「相続・事業承継」の分野も不動産事業と密接に関わっている為です。
また、不動産も投資の一つで資産運用と位置付けられることから、年金や保険、金融商品とも関連し、ライフプランニングを形成する上で必要です。
こちらの資格は国家資格ながら更新がなく、更新事務手数なども不要となっています。
実はこれは大きなメリットで、例えば自動車運転免許にも更新があるように、ほとんどの国家資格には更新とその手間、更新事務手数料がありますので、お金の専門家なのにお金がかからない不思議な資格です。
受験資格
3級の試験には制限がありませんが、2級からは一定の条件があります。
「FP業務に関する実務経験」とは、特に定義はありませんので自己申告制です。
例えば2級の受験に必要な実務経験は2年ですが、銀行、証券会社、保険会社、不動産会社、税理士事務所や法務事務所、保険代理店等に累積で2年以上勤務していれば、全く問題ありません。
下記は金融財政事情研究会(金財)でのインターネット受験申請画面ですが、職務内容を3つの項目から選びます。
FP2級を受験したい方のうち、FP3級を取得するのが邪魔くさい方は、上記3つのいずれかのチェックを入れて申請するのも良いでしょう。
FP試験受験日
FP試験は年間に3回行われますので、比較的資格取得しやすい背景となっています。
2020年5月24日試験の受験申請が3月12日から始まっています。
金融財政事情研究会での受験はこちら https://www.kinzai.or.jp/fp/news-fp/26876.html
日本FP協会での受験はこちら
◆2級 https://www.jafp.or.jp/exam/app/2fp.shtml
◆3級 https://www.jafp.or.jp/exam/app/3fp.shtml
FP試験の概要
金財のFP試験の日程はこちら:https://www.kinzai.or.jp/fp/nittei-fp/24825.html
1~3級まで共通で、学科試験と実技試験に分かれており、別々に受験することも可能です。
但し、1級の実技試験のみ、※学科試験を先に合格もしくはその他条件が必要で、必ず別日程となります。
※受験資格参照
例えば、下記のような受験方法で資格取得することも可能です。
実技が先でも学科が先でも構いませんが、一部合格の有効期限は翌々年度末までとなっています。
「年度末」なので、12月末ではなく3月末までですが、実際は1月末の学科&実技試験(1級のみ学科試験のみ)と、2月中旬に行われる1級実技試験が年度末試験の期限となります。
例えば、2020年1月末の学科試験や実技試験に一部合格した場合は、その合格した項目(学科もしくは実技)2022年3月末までの期限となる為、同年1月末の学科&実技試験(1級のみ学科試験のみ)と、2月中旬に行われる1級実技試験が年度末試験の期限となります。
FP試験の合格率
金融財政事情研究会(金財)の試験結果は下記の通り。
日本FP協会の試験結果は下記の通り。
いずれも日本FP協会実施試験の方がやや合格しやすい傾向があります。
資格取得する為の勉強方法と時間は?
FP試験の主催団体は一般社団法人金融財政事情研究会と、日本FP協会です。
公式テキストは関連会社である株式会社きんざいが出版しているテキストを使うのをお勧めします。
出題傾向などの正確性は当然のことながら群を抜いています。
株式会社きんざい 一般社団法人 金融財政事情研究会実施試験関連書籍一覧
とは言え、市販のテキストもイラストを多用するなど分かりやすく説明していますので、そちらについてはきんざいのテキストはやや分かりにくく、一歩及ばない部分もあります。
最終的には好みですが、イラストや説明分の分かりやすさなど、自分に合ったテキストを選ぶのも良いでしょう。
1級から3級まであることから、その難易度には幅があります。
試験範囲自体は1級から3級まで同様ですが、当然ながら等級が上がるにつれてより細かく高度な知識を問われます。
必要な勉強時間の目安は1級で500~700時間、2級で150~200時間、3級は10~30時間です。
3級と言えど、全く勉強せずに合格することは困難です。
例えば、保険代理店勤務の方なら、「リスク管理」の分野が最も得意と思われますので、そこから勉強を始めます。
不動産会社勤務なら、「不動産」から勉強を始めて、「相続・事業承継」と「タックスプランニング」という不動産に近接する科目を勉強していくと効率的です。
と言いますのは、どのテキストも6つの科目のうち、「ライフプランニングと資金計画」から始まります。
ライフプランニングの主要な項目の1つに年金があります。
すでに年金をもらっている人はともかく、受験するほとんどの方は現役の社会人であったり学生であったりしますので、年金に詳しい人は基本的にいません。
それがテキストの最初にどーんと構えている訳ですから、「なんだか難しそうだな」と諦めてしまう方や、取っつきにくさで勉強が億劫になってしまう方もいます。
次に「リスク管理」、「金融資産運用」、「タックスプランニング」、「不動産」、「相続・事業承継」と続いていく訳ですが、この2番目の「リスク管理」もなかなかに厄介で、馴染みのない方には分かりにくい科目です。
住宅の火災保険や自動車保険など、身近な例もありますが、遁増定期保険とか、どんな内容の保険か文字を見ても理解不能で、さらに言えば読み方も分からないような謎の保険商品に対する問いも多く出題されます。
ライフプランニングとリスク管理の2つの科目の取っつきにくさで踵を返すことがないようにしたいものです。
※私は不動産に長く携わっており、宅建も所持していたので、「不動産」の分野については復習がてらでスイスイと進め、「タックスプランニング」、「相続・事業承継」の分野も比較的簡単でした、しかし、「ライフプランニングと資金計画」と「リスク管理」だけはさっぱり点数が取れませんでした。
勉強時間目安:10~30時間
学科試験は60問出題されますが、全て〇×の2択問題で、実技試験も計算問題などあるものの3択問題で、いずれの試験も6割の正解で合格できます。
基本的な事項や趣旨を抑えていれば解ける問題が大半で、難易度は非常に低いと言えます。
テキストを1回読んで、過去問を3~4回解いて復習すれば十分合格できるラインになります。
テキストを2~3回読破したぐらいではほとんどの問題は解けず、十分な演習が必要です。
自身の得意分野から勉強し、過去問で6割くらい取れるようになれば不得意科目を少し勉強して、3割くらいは取れるようにしていけば良いと思います。
尚、2級の実技試験については、意外ですが学科試験よりも難易度が低いです。
実技試験は4択問題もありますが、記述式が多くなっているのが特徴で、ほとんどの問題が過去問の流用で数字を少し変えただけとなっています。
過去問を10回繰り返せば8割は正解できるでしょう。
まとめると、2級FP試験のキモは学科試験で、ここさえクリアできれば簡単です。
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勉強時間目安:500~700時間
税理士や社会保険労務士、宅建など、FPの一部科目の専門分野の資格所持者は、当然勉強時間はこれよりも少なくなりますが、そうでない方の目安となります。
私自身は宅建を所持していても500時間は勉強時間を費やして、結果7割程度の正答率でした。
さすがに1級となると生半可な知識は通用しません。
非常に細かい揚足取りのような”凶悪な問題”も出題されると思っておいて損はありません。
こちらも学科試験が難関です。
なんと学科試験が「学科」と「応用」に分かれており、2つとも同時に合格する必要があります。
「学科」は文字通り学科試験ですが、「応用」は2級試験における「実技」と同義の計算問題や記述式の問題が主となります。
200満点中120点の獲得が必要ですが、配点は公表されておりません。
応用の試験においては、計算式の記述も部分点として得点の一部になりますので、とりあえず記入しておいた方が良いでしょう。
気になる勉強方法ですが、学科・応用ともに、下記2点をお勧めします。
試験問題にも当然にこれが反映され、過去問には法改正による引っ掛け問題や、法律の主旨を問う問題が出題されますので、法改正については多くのテキストにポイントが記載されていますので、最新のテキストの購入するのが良いでしょう。
ちなみに、法律や方位改正が施行される日を抑えることも重要です。
例)本試験の出題が「2020年4月1日時点の法律の条文を基にしてる」場合に、2020年8月1日から施行される法律や法改正についてはスルーしても良いということになります。
※2020年5月の試験では2019年10月1日時点での法令等に基づいて出題されます。
過去問の問題集は、年度別の試験をずらっと並べている傾向がありますが、最も頭に入りやすいのは上記のヒントの通り、似た傾向の問題は集中的に解いて頭に覚え込ませることです。
特に応用試験においては、2級の実技試験ほどではありませんが、5~6割の問題は過去の出題に基づいていますので、過去問を20回程度こなせば6~7割は取れます。
問題はここでも学科試験。
過去の試験にも出題されたような類似の問題は体感的には2~3割になっています。
それでも、回数を重ねることで本質的な理解が深まり、ひねりのある問題でも解答できるようになっていきます。
過去問で7割取れていても、実際はそこから7割掛けて5割くらいの正解になってしまうと理解した方が精神衛生上よろしいかと思います。
つまり、過去問で9割取れていなければ、合格は難しいので、過去問は最低20回分…欲を言えば30回は解いておいた方が良いでしょう。
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試験費用が25,000円と高額で、試験は午前10時から午後3時前後までとなります。
面接試験とは言っても、凶悪な学科試験と違ってひねりのある出題はなく、学科試験の知識のアウトプットとなりますので、どちらかと言えば過度に緊張しないことがポイントとなります。
日本FP協会の実技試験概要:https://www.jafp.or.jp/exam/1fp/files/points_1fp.pdf
これに対して、日本FP協会が行う実技試験は筆記で論述式です。
合格率はほぼ9割を超えており、面接が苦手だという方にもおすすめです。
ただ、2019年9月の試験については。合格率が71.3%と比較的低くなっており、運の要素も絡みます。
まとめ
いかがでしたか?
難易度は低めながら、生活に非常に役に立つ3級、難易度は上がりますが他の資格を補完する2級、そしてトップに立つ1級は、実生活はもちろん、企業への就職や、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士、不動産業者などとのコラボで可能性は無限大です。
どなたでも、どの業界であっても「お金」に関することは無関係ではありません。
何か資格取得を目指す上で最もお勧めの資格の1つです。
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