空家を相続!損をしない処分方法と特定空家指定の弊害

不動産

日本国内で年間に死亡する人の数は130~140万人。
2019年は約138万人でしたが、コロナウイルスが蔓延した2020年は実はそれよりも少なくなりそうです。

 

仮に100万人がお亡くなりになると100万人分の相続が発生します。
資産家ほど相続対策をしているものですが、そうではない方であっても知識として相続について知っていた方が良いことは多々あります。

 

 

相続税について特段知らなくても良い人

 

一言で言えば相続する資産の概算が3,600万円以下になりそうな人は、相続税を特に気にする必要はありません。

いざ相続が起こってから動き出しても問題ありません。

 

 

何故かと言えば、相続税が一切かからないからです。

 

相続税の基礎控除

 

基礎控除の額 = 3,000万円 + (法定相続人の数×600万円)

 

つまり、例えば相続人が貴方1人だった場合は基礎控除が3,600万円ありますので、相続税を支払う必要はありません。

申告も必要ありませんが、小規模宅地の特例や(相続における)配偶者の税額の軽減の特例を使用した場合は、相続税がゼロになる場合でも申告が必要です。

 

とは言え、資産が3,600万円を下回る場合は小規模宅地の特例を使う可能性はありますが、配偶者の税額の軽減の特例は使う必要はありません。

 

配偶者の税額の軽減

 

①配偶者に相続される財産のうち1億6,000万円

 

⓶配偶者の法定相続分

 

上記①、②のいずれか多い方にて相続税が免除されます。

 

国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4158.htm

 

特定空き家の恐怖!

 

これとは別で、例え相続税がゼロ見込みの人でも、そうでない人でも空家を相続した場合は注意が必要です。

 

都心に近い場所の空き家なら不動産業者や建売業者などが続々とやってきて売却や資産運用の提案をしてくれるので、その際にどうすれば良いかを選んで実行するだけで特に問題はありません。

 

問題は都心から遠く離れた郊外…駅徒歩圏なら良いですが、駅から徒歩30分などの空き家は注意が必要です。

都心の空き家と違い、誰も提案を持ってきてくれません!

 

売りにしても貸すにしても、取り壊すにしても相続した自分自身で動かなければならない点を踏まえる必要があります。

 

特定空き家等に対する措置とは?

 

2015年5月26日に「空家等対策の推進に関する特別対策措置法」が施行されました。

テレビなどでよくゴミ屋敷で近隣住民が困っている、などを見たことがあると思います。

 

長期間に渡って放置されている空き家も同様で、壁にツタが生い茂り、植栽は伸び切って隣家を越境するなど見た目だけでなく、近隣住民の権利を阻害し火災や倒壊の危険があるなど、全く良いことがありません。

 

こういった現状を踏まえ、この制度により自治体が空き家を放置している所有者に対して助言・指導だけでなく、勧告や命令を行い、従わない場合は50万円以下の過料を科すことができるようになりました。

 

過料を含めポイントは3つあります。

 

ポイント1:自治体が特定空家の所有者等に対して、除却・修繕・立木竹の伐採やその他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合、固定資産税及び都市計画税の住宅用地の特例の対象から除外されます。

 

 

ポイント2:勧告には相当の猶予期限が設けられますが、所有者等が正当な理由がなく期限を過ぎても適切な措置を執らない場合、勧告に係る措置を「命令」することができ、その命令に従わない場合は50万円以下の過料を科される。
ポイント3:義務者(所有者等)が指定の期限までにその義務を履行しない時は、市町村長が代執行令書を発行して義務者に通知した上で行政代執行を行う。解体にかかった費用等は所有者等の負担となる。

 

特定空家として自治体から「勧告」を受けると、住宅用地における固定資産税・都市計画税の軽減措置から除外されます。

住宅用地における固定資産税・都市計画税の軽減措置は下記の通りです。

 

 

上記のようにかなりの固都税が軽減されていることが分かります。

具体例を見ていきましょう。

 

例えば土地の面積が300㎡で、すでに住宅用地における固都税の軽減措置を受けている場合です。

ところが自治体から特定空家に係る勧告を受け、軽減措置から除外されてしまった場合のシュミレーションを記載しました。

 

 

上記の例では、毎年14万円程度だった固都税が4倍近くの51万円に跳ね上がってしまいました。

 

自治体に特定空き家認定されてしまうと固都資産税が爆増するのが分かっていただけたと思います。

 

関連記事:社会問題化するマンション老朽化問題

 

 

空き家の処分方法

 

空き家を相続してしまった場合の出口戦略とは!?

 

1:上物付きで売却する

 

不要であれば売って現金に買えたいところ。

 

いくらぐらいの価値になるかは地元の不動産屋さんに査定をお願いしたり、査定サイトを使うのも手です。

 

査定サイトのメリットは複数の不動産会社に査定を依頼することで競争が起こり、価格が高くなりやすい点です。

デメリットもあり、沢山の業者(査定サイトの多くが上限6社)とやり取りしなければならず、手間や心理的負担が増します。

 

上物が建った状態でそのまま売却すれば手間暇も少ない代わりに、ボロ家であればそれだけ買いたたかれる可能性が高まります。

 

2:賃貸に出す
賃貸需要があるなら月々の収入にもなるし、貸すのも良し!
ただ、ちゃんとリフォームしないと基本的に誰も借りてくれません。
リフォーム会社の伝手(つて)がない場合もあるので、素直に地元の不動産会社や大手FC店舗などに頼ると話が早いです。
最近はDIY可能な賃貸物件も人気が出てきていますが、この場合のメリットはリフォーム費用がほとんどいらないこと。
デメリットは退去した後、魔改造されてしまって次に誰も借りない可能性もあることです。
3:更地にして売却
上物付きではなく、解体してから売却です。
メリットは買い手が付きやすいこと。上物の戸建が古く老朽化が激しい場合はお勧めです。
デメリットは解体費用がかかること、更地にすることで次年度から固定資産税が高くなることです。上記参照。
ただ、相続税がかかる人の場合、更地にすることで別の税制上のメリットがあります。
「被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の特例」というもので、売却したことにより”儲け”が出てしまった場合にかかる税金(所得税及び住民税)について、儲けの3,000万円までの部分が非課税になります。
儲けが3,000万円以下であれば税金がかからずお得です。
要件は空き家を更地にするか、耐震補強をする必要があります。

まとめ

 

古い戸建を相続した場合は、財産だけでなくリスクも一緒に相続することになります。

運用の仕方を間違えば火傷をしますが、正しく運用できれば資産の積み上げに役に立ちます。

 

せっかく残してくれた資産ですから、間違うことなくしっかり運用して利益を出したいところですね!

 

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コメント

  1. ヒロナカ より:

    特定空き家も相続の仕方で使えない時もあるので、親御さんが存命な内から取り組んでいきたいですよね😭
    建物が母親、土地が子供で使えなかったこともあったので💦

    • モアぞう ぬん より:

      そうなんですよね…。
      相続が始まってしまうと、遺産分割協議とか相続税の支払とかでがっつり時間を持っていかれるので、事前が一番ですね。
      とは言え、コロナ禍で相続について考えるようになった人は増えたように感じます。

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