”リスク”の語源

不動産投資

ワタクシ、モアぞうの本業は不動産業です。

イースター島に鎮座している訳ではありません(何を言い出すのやら)。

不動産業の職種も色々あって、賃貸仲介、売買仲介、賃貸管理、建売販売、買取再販、用地仕入など沢山有り、さらに細分化されて各々の専門分野が分かれてきます。

例えば賃貸仲介の中にも、主に居住用のマンションやアパート、戸建などを仲介するいわゆる大手FC(アパマン、エイブル、ミニミニなど)がイメージされるような職種。

これに対して主に事業者を相手にする事業用賃貸、さらにその中にも店舗専門とオフィス専門、事業用借地、他にも倉庫や工場、もしくは物流施設専門など多岐に渡ります。

何が言いたいかと言うと、これだけ多種多様な不動産業界のことをお伝えしようと思えば、そんじょそこらの経験値では無理な話でございます。

なので業界歴20年以上のモアぞうであっても、さらなる経験値やそれらを補完する知識が必要です。不動産のことは何でも知ってるぞ!なんて言っている人がいたら間違いなくモグリです。

それだけ不動産は奥が深いのです。


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ってことで、本題。

以前紹介した世界〈経済〉全史(宮崎正勝著)。

もう読破しちゃった本なんですが、面白かったのでもう1回読んでます。

過去記事では↓でも触れています。興味があればどうぞ。

不動産関係あるのか?いやあります。

アメリカ人が土地に執着しない傾向があるのは何故でしょう?

答えはあえて書きませんが、こんな質問についても世界史で説明できたりします。

それはさておき‥‥。

世界史ってホントに面白いんですよね。個人的には交易の歴史が好きです。

交易は航海と密接に関係していて、航海術の進歩や技術革新が世界の一体化を加速させました。

タイトルの「リスク(risk)」の語源。

これには諸説があります。

イタリア語もしくはラテン語のriscare「船乗り」から派生した「勇気を持って試みる」とする説と、「アラビア語で「今日の糧を稼ぐ」とする説、同じくアラビア語で「海図のない航海」とする説など。

この本によれば一番最後の「海図のない航海」が語源との位置づけです。

アラビア商人は大航海時代が始まる前から、現在で言うところの中東~インド、東南アジアにかけての海域である紅海、ペルシャ湾、インド洋などを席巻していました。

バルトロメウ=ディアスがアフリカ南端の発見して、その後アラビア半島からへの航路を開拓され、さらにバスコ=ダ=ガマがアラビア半島からさらに東のインドに進出したのは16世紀前半の話。

それまでは胡椒をはじめとする更新料貿易の中心はアラビア商人でした。

コショウ(胡椒)、シナモン(肉桂)、チョウジ(丁字)、ジンジャー、ナツメグなどの香辛料はインドや東南アジアからアラビア半島を経て、地中海に持ち込まれ、イタリアに着くころには高額な価格になっていました。

あっ、不動産オーナーの皆さんは香辛料よりも更新料に興味がありますよねw

「胡椒一粒は黄金一粒」

ドラクエ3でもポルトガルをイメージしたポルトガの国でそんなセリフが聞けました(古い‥)。

話が逸れました。

アラビア商人たちの命がけの航海による貿易は香辛料をはじめとする交易品による莫大な利益をもたらしました。

ローマ帝国が隆盛した時代からアラビア商人たちはインド洋を開拓していましたが、「海図のある航海」であっても危険が伴いました。

ましてや「リスク」の語源である「海図のない航海」など論外でした。

コロンブスがすごいのはそれです。海図のない航海をやってのけた。

そういやイースター島ってのは、今から千数百年前に航海民族であるポリネシア人が”発見”してモアイ像を作ったとか。太平洋上に浮かぶ豆粒みたいな小さな島をよく見つけたな‥‥。これもスゴイです。

さて世界史の講義みたいになってしまったのは理由があります(まあ最後まで見てください)。

何が言いたいかをまとめます。

アラビア商人たちの命がけの航海は一言で言えばビジネス(事業)の範疇です。

不動産投資も同じ。ビジネス(事業)ですよね。

海図のない航海は有り得なかったように、不動産のノールック買付も有り得ません。

文字通りのリスクであります。

「いや、俺は(私は)ノールック買付などしていない!」

っていう方が大半だと思います(聞いてますか?スルガ銀行ガーってデモしている皆さん)。

そうでなくても、リスクが見えにくいのが不動産の怖いところです。

例えば検査済証を取得していない物件があります。

姉歯事件という一人の建築士が起こした構造計算書偽造の事件から法改正されるまで、実は検査済証の取得率は非常に低かったです。特に2000年以前。

地域差もありますが、全体でだいたい2割くらい。大阪は何故か1割強って言われています。

なので2000年以前の中古物件で検査済証が無い物件なんて珍しくもなんともありません。

しかしこれも海図のない航海の一種です。

とは言え、この程度は航海に例えると数十キロ先が分からない程度です。

他にも建築計画概要書と現況が違う物件だったり、建築図面が無いとか増築してたりして間取りが不明だったり、不良入居者がいたりなど、どれも有り得ます。

また、現地を確認すれば分かることとして、外壁のタイルが浮いていたり、塗装面がチョーキングしていたりすると近いうちに外壁補修の必要があります。

居室のほか、共用廊下の天井部分にシミができていたりすると雨漏りや給排水管の漏水があった可能性があります。

ノールックでは分かりません。当たり前ですが。

聞いてるか~?スルガ銀行前でデモをしている皆さん!(大事なことなので2回言う)

ってことで、不動産投資という航海も、各種資料やエビデンスという海図があれば危険性が低いのですが、これがほとんど残っていない物件も現実的には多いです。

物件の良し悪しはまず価格ですが、融資が付きやすいかどうかも焦点です。

出口戦略を考える上で、価格面を除けば、次の人に売りやすいのは各種資料とエビデンスが豊富な物件なのは間違いないので(融資がつきやすいから)、これらが揃っていない物件は玄人向きです。

詳細が分からない物件を購入してしまって苦労している人、沢山います。

我こそは素人であるを自認している人は、焦らず多少価格が割高であってもちゃんと詳細が分かる物件を選んだ方が得策であると考えるのがモアぞうであります。以上。

最後はおまけ。中国の不動産市況について

 

中略

 

中略

 

 

 

最近になって、もはや中国の不動産バブルが崩壊してしまったことをどのメディアも隠さないようになりました。

ちなみに、よく話題になっていた訪日中国人による爆買いのピークは本格的にインバウンドが増えた2018年~2019年よりもずっと前の2015年頃だったかと思います。

もしかしたらこの頃から中国の不動産バブルは崩壊していたのではと思ったりします。このあたりはまた調べて記事にします。

だから何?今後中国は、世界経済はどうなるの?について全世界が注目していると思いますが、なんちゃって資本主義の一党独裁体制がこれを収める為にどこまでやれるかは壮大な社会実験です。そういう意味でホントに気になります。


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