2022年の台風第1号が誕生しました。
まだ4月なので全く恐れる必要はありませんが、台風シーズンに差し掛かってから慌てて対策しても遅いので、まあ今のうちに見ておいてくださいw 損はないですよ♪
2022年初 台風が発生しそうですね。
たまには統計でも見てみましょう。
毎年発生する台風の数は25個程度、日本列島に上陸するのはせいぜい1〜2個。
2018年は発生が29個、うち5個が上陸しました。
その中でも台風21号は凶悪で10万戸近くが被害。
最近は地震が多いですが、台風もお忘れなく!
— イースター島不動産💨モアぞう (@55akaruimirai) April 6, 2022
さて毎年やってくる台風は統計的には滅多に日本に上陸したりしないのですが、まだまだ記憶に新しい2018年(平成30年)はなんと5個も上陸しました。※続く2019年(平成31年)も同じく上陸が5個でした。
Twitterでも投稿したように、2018年(平成30年)の台風21号は別格でした。
その概要を見てみましょう。
まず、基礎知識。正確性を多少犠牲にして、ものすごく分かりやすく書いていきます。ご了承くださいw
台風は気圧が低ければ低いほど強い傾向があります。単位はhPa(ヘクトパスカル)。
昔はmb(ミリバール)でした。
台風はだいたい1000hPa以下です。これよりも数値が低いと強くなっていきます。
950hPaとか、かなり強いです。
そして、台風は暖かい海で成長します。
海水が蒸発し水蒸気となって、それが雨雲になる為です。
6月から10月くらいまでの期間が台風が発生しやすいのですが、発生した台風がフィリピンとかマリアナ諸島などの日本の遥か南方を漂っているうちは暖かい海で成長を続けるため、気圧が低く強い台風のままです。
このあたりでは気圧が950hPaとかで、大型かつ強い台風です。
ちなみに気象庁は台風の大きさと強さに明確な定義を設けています。実は気圧は直接的に関係ありませんが、気圧が低いと風が強くなる傾向があります。
ってことで平成30年台風21号に戻ります。
台風21号の基となった熱帯低気圧は8月28日に南鳥島付近で台風になりました。
8月28日はまだまだ日本列島ですら残暑が厳しい時期です。
で、南鳥島は日本の最南端。この頃は雨が少なかったこともあり、日本近海まで海水の温度が高い状態でした。
この為、台風は日本の近海に至るまでにどんどん成長していきました。
尚、通常の台風は日本近海に近づくにつれて急激に勢力が衰えていきますが、台風21号は例外で、日本近海の海水温が非常に高かった為、ほとんど勢力が衰えないまま日本列島に上陸することになります。
高知県の南部への上陸時の気圧は950hPaでした。
この数値はフィリピンとか台湾など、気温や海水温が高い地域の数値です。一言でいうと非常事態です。
平成30年台風21号の進路
進路は、まず高知県に上陸し、その後瀬戸内海を抜けて神戸に再上陸しました。
四国、中国地方、近畿地方に甚大な被害をもたらしました。
さてようやく本題です。
モアぞう調べで、平成30年台風21号の当時の被害状況についてピックアップしてみました。
サンプル数は300程度です。
近畿地方に台風が再接近した9月4日から、過ぎ去った9月6日にかけての入居者からの入電をまとめたものです。
では見てみましょう。
・ブレーカーが落ちる
・何かの破片が飛んできて網戸破れた
・トイレの水逆流
・トタンが飛んできた(隣地含む)
・オートロックが開かない(共用ブレーカーが落ちた)
・ガラスが割れた 多数
・ベランダ、廊下の屋根が飛んでいる
・テレビ視聴不良(アンテナが倒れた) 多数
・停電
・断水(共用ブレーカーが落ちた)
・防火扉破損
・雨漏り
・エレベーターが止まった
・屋上ハッチが飛んで雨漏り
・募集看板が飛んでいきそう
・シャッターが歪んで開かない
・床から水が漏れてきた
・換気扇が割れた
・ベランダ、雨どい、ドレン排水不良
・雨漏りに伴う補償の件
・瓦が飛んだ
・ブロック塀が傾いている
雨漏りの跡
強風で飛ばされたトタン屋根
項目は沢山ありましたが、ベランダの仕切り板の破損が群を抜いて多かったです。
あとは飛来物によるガラスの破損も多く、停電やそれに伴う断水(ポンプが停止する為)も一定数ありました。
雨漏りはそこまで多くありませんでしたが、やはり一定数ありました。
平成30年台風21号被害状況グラフ(モアぞう調べ サンプル数300程度)
ベランダの仕切り板の破損は、生活において絶対に必要なものではない為、緊急性は低かったものの、なんせモノが不足するし業者の手配などすぐにはできません。
ちなみに、平常時の単価は仕切り板の20,000~25,000円程度ですが、急ぎで対応する場合はもっと高くなり30,000円を軽く超える場合もありました。
当然ながら火災保険でほとんど対応可能です。
で、一番困るのは停電と断水、そしてテレビ視聴不良ですね。
強風で倒れたアンテナ
停電のほとんどは地域停電、つまり電力会社マターですので大家さんにしても入居者さんにしても待つよりほか仕方ありません。
断水については停電に起因する場合(停電によってポンプが止まる)は停電が解消されれば自動的にポンプが復旧します。
水道管破裂などが原因の時もありますが、これは台風よりも地震に多いです。
あと、テレビ視聴不良。アンテナが折れたり倒れたりしている場合です。
特に年配の方が多いマンションやアパートなんかは、テレビが唯一の情報源だったりするので、テレビアンテナが復旧しないと不安が募る一方ですよね。
陸屋根(屋上が平べったいやつ)の建物であれば屋上に上がることができれば倒れたアンテナを元に戻すだけで事足りることが多いです。
スレート葺(屋上はなくて、屋根が角ばったやつ)などの建物であればそうもいきません。
強風で曲がったアンテナ
また、アンテナ自体が壊れてしまった場合などはいずれの場合でも交換の必要があります。
高所作業になるので業者の手配が極めて難しく、当面の間復旧は困難となります。
事前にできること
台風は地震と違って突発的ではありません。
ここが救いです。
業者手配に余裕がある時に補強することで予防になります。
一番お勧めなのは、台風が接近しそうな時に全戸に文書投函です。
停電するかもしれないし、断水するかもしれない。
もしそうなった場合、すぐに対応できないのでご了承ください、的な文書でもOKです。
そもそも停電は大家さんにはどうしようもないですからね‥‥。入居者さんも台風によって起こり得る被害についてある程度事前に分かっていればパニックにはなりにくいし、我慢もできます。
ってことで、台風のシーズンはまだまだ先ですが、台風1号発生記念(?)で過去の被害を紐解いてみました。
まああの時の台風は本当に大変でしたよ‥‥公私ともにホントにw
物件によっては瓦屋根だったり、防水がきれかけていたり、クラックが入っていたりするので、これらは最低限見ておきたいですね。
有力は仲介業者や管理会社とお付き合いがある場合、提携している外壁業者が建物診断を安価もしくは無料で行ってくれたりするので、一度聞いてみても良いかもしれませんね
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