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今回は国土交通省から発表されている不動産価格指数について解説していきます。
これを認識しておけば、ある程度の不動産価格の動きや今後の推移を予想しやすくなります。
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1月29日に最新の不動産価格指数が発表されました。
不動産価格指数とは?
国土交通省が1ヶ月おきに発表している全国及び地方ごとに調査した不動産取引における価格を指数化したものです。
2010年を100とした場合の現在の数値を示しています。
2009年~2010年頃から正式にデータを取っているので、リーマンショック後の価格の推移の概要を知ることができます。
戸建住宅やマンション(区分所有)の価格は月ごとに示され、店舗やオフィス、倉庫や工場、マンション・アパート(一棟)などの商業不動産は四半期ごとに発表されています。
私は1ヶ月に1回のこの発表にいつも注目しています。
出典は民間ではなく国土交通省で、指数のサンプル数が数百から数千の為、ある程度信頼性の高い数値であると思います。
不動産投資家の方が最も注目すべき指数は「マンション・アパート(一棟)」ですが、今回の発表には含まれておりません。
一棟マンションアパートは商業不動産の部類なのですが、こちらは四半期ごとに発表があります。
2019年10月~12月の第4四半期分の発表は2月下旬になる見込みです。
戸建投資の方は「戸建住宅」の指数もありますが、一般に出回っている市場価格を基に指数が形成されているので
あまり市場に出回っていない古家をターゲットにした投資家にはあまり参考になりません。
また、「マンション(区分所有)」の指数もあります。
区分マンション投資をされている方には大いに参考になるでしょう。
今回は区分マンションの指数を見ていきます。
区分マンションの価格指数の推移
最も古いデータは2008年4月。
全国の指数は102.0。2010年度を100としているので、ほとんど変わりません。
2008年9月がリーマンショックだったので、2009年は4~7ポイント下がって、94~98をうろうろします。
2013年までは101とか102で変わらず、2013年を過ぎてから目に見えて上昇していきます。
2012年末に安倍政権に代わり、黒田日銀総裁とタッグを組んで大規模な金融緩和が始まった頃です。
さらに、2013年9月7日にオリンピック開催地として東京に決定したことで、不動産への資金流入が一層加速し、建築価格が上昇していきます。
2013年には111.3、2014年115.6、2015年123.8、2016年128.8と上昇していき、最新の2019年10月は147.4となっています。
ちなみに、東京都の指数は147.9、大阪府は151.7で、全国の指数と大差はありません。
いま区分マンション投資をすべきか?
区分マンションで再販して収益を上げている方は、2008年~2013年までに始めた方が多いです。
例)2010年に購入時物件価格が3,000万円、2015年売却時の価格3,500万円
区分マンションへの投資が今後儲かるかどうかは、再販価格が吊り上がるかどうかが焦点です。
現在区分マンションの価格を釣り上げてる要因の一つとして建築費がありますが、人手不足もあり近々で下がる気配はありません。
また、需要と供給を考えると、東京都心部はまだまだ世帯数が増加しますので需要がありますが、その他地方になるとかなり限定された地域でないと、5年後の長期譲渡所得を見据えて売却しようとしても、売却価格がローンの残債を超えられない事態になります。
そうなると、保有し続けるしかありませんので、最新の賃貸事情を考慮しつつバリューアップをしながら賃料を維持する必要があります。
まとめ
区分マンションに関しては2010年と比べて1.5倍程度になっており、実際に住む人(実需)を想定する価格にしては高すぎると思われます。
もし働く人の賃金が上がれば購入意欲も刺激されますし、購入可能資金も増加します。
ただ、人手不足の事情によって賃金が上がってくると見られていましたが、人手不足が深刻な建築業界などのごく一部を除いて、体感的な賃金の上昇って起きてない気がします。
とは言え、統計によれば賃金は上がっているようです。
2018年度は実質賃金も名目賃金も上がっています。
しかしこちらは2018年度までの統計なので、消費増税があった2019年のデータはまだありません。
消費増税は2019年10月1日だったので、影響が出てくるのはもう少し先ですが、今後雇用情勢の統計に注目することで、ある程度近未来の区分マンション投資への予測が立てられると思われます。
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