本日は参議院選挙(参院選)の公示日です。
詳しい解説がご希望の方は政治系のブログへどうぞ!拙ブログでは概略と不動産投資への影響の解説に留まります。
大方の予想では自公の圧勝。↑の記事では、参院選の前に人気取り政策で経済対策が打ち出されるかもって予想していましたが、あまりにも与党の圧勝が予想されているので、これは期待できません。というよりも、現時点まで全く動きや発表がありませんでしたね。ザンネン。
話を戻して‥‥選挙結果はどうなるか。
金融緩和は継続すべきという6党と、円安を問題視して金融緩和路線の変更を求めている3党とで意見が分かれています。
金融政策は金利を左右しますので、住宅ローンや企業の借入はもちろん、不動産投資にも密接に関わるので参院選での各党の主張には目を通しておくべきかと思います。
まずは金融緩和継続派の6党。自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、NHK党です。
次に金融緩和路線の変更派。つまり金融引き締め派の3党。立憲民主党、共産党、社民党の3党。
さて各論について全否定するつもりはありませんが、忘れてはならない大前提があります。
基本的にインフレ率が上がっていない時に金融引き締めをすると不景気になります。
ちなみに、アメリカのインフレ率(2022年5月度)は8.6%です。
生鮮食品とエネルギー価格を除いた数値(コアCPI)です。
アメリカは2020年、コロナ禍への経済対策として1.9兆ドル以上を予算に計上。家計への現金給付の規模は4,000億ドルと大盤振る舞いでした。
これが需要を大いに刺激して、インフレ率が高まってきたという背景があります。
対する日本の生鮮食品とエネルギー価格を除いたインフレ率(同)は1.2%です。
日本も当初は100兆円規模の予算を計上しましたが、全て執行されず予算が余っている状態です。これを俗にシブチンといいます(余計)。
現在日本のGDPギャップはマイナス22兆円(4月‐6月期)。つまり22兆円分の需要不足。
この状態で金融引き締めをするとどうなるか?
まず株式市場が真っ先に反応します。
具体的には、リスクの低い日本国債に資金が流れるのと同時に、金利が上がって企業はお金を借りにくくなり、さらに消費が冷え込むことを見越して株価が暴落します。
その後、インフレ率は下がり再びデフレ経済に陥る可能性が高くなります。
結果的に円安が多少緩和されるかもしれませんが、輸出企業が工場などを国内回帰する流れに冷や水を浴びせる格好となり、全体で見れば日本の景気は冷え込みます。※もともと日本の景気は円安基調の方が良い傾向があります。
ってことで、金融緩和は継続が必須。それを分かっている6党(自民、公明、維新、国民、れいわ、NHK)と、分かっていないかもしくはワザと悪くなるように言っている3党(立民、共産、社民)に分かれていますね。
どちら側に投票するかは個人の自由ですが、投資家なら前者の方が無難でしょう。
隙あらば増税の岸田首相
とは言え、今の与党も隙あらば増税の岸田首相がトップなので、あまり望ましくないんですよね。
やっぱり残念ながら現在の日本の選挙の本質は「よりマシな方」を選ぶってことでしょう。
黒田日銀総裁
政府と協調路線を取る日銀も当然ながら金融緩和継続の意向です。
そしてコロナ禍で増えた家計の”強制貯蓄”を吐き出させる財政出動(経済対策)が必要なのも明白。
だって現在日本のGDPギャップはマイナス22兆円(22兆円分の需要不足)もありますもん。
よって、最低22兆円の経済対策、もっと言えばこれを上回る30兆円規模の経済対策が必要になってきます。
それでようやくインフレに拍車がかかってくるというものです。
さて、これを選挙公約で持ってくる党があるか、それとも参院選後に何らかの動きがあるかは選挙結果次第ですよね。注目です。
尚、民間が需要を作れない時は政府が財政出動(経済対策)で作るしかないのです。
で、この状況の中で「金利が上がったらどうしよう」とか「円安で日本が沈む」なんて言っている人は、おそらくテレビか新聞の情報しか目にしていないのかもしれません。
ラジオやネット番組、個人の動画でも分かりやすく解説されているものが多いので、両論を比べてみると面白いです。
それらを踏まえて重ねて言いますが、インフレ目標2%を安定的に達成できるようになるまで金融緩和は継続されますので、当面金利は上がりません。ご安心ください。
※念のため‥‥これは全体の話なので個別で金利が上げてくる金融機関がある可能性は否定しません。
おまけ
2年前の2020年4月21日に書いた記事です。
この頃、原油先物価格がマイナスになったってことで話題になっていました。
2020年4月と言えば、日本でも緊急事態宣言が初めて出された月で、世界各国でも新型コロナウイルスによるパンデミックでロックダウンが多発していました。
当然消費が異常なまでに抑制され、需要が急減した為に原油価格は猛烈に下がりました。
話は少しだけ逸れますが、現在原油の先物価格は1バレル100ドルを軽く超えているのに、この時はマイナスになったのはともかく、概ね10ドル台だったのは驚きです。それほどまでにエネルギー価格ってのは変動が激しいんですね。消費者物価指数を見る上で省いて考えるのは当然と言えます。
当時書いた文章の中の”予言”がちょっと当たっていたので自慢しますw
1バレル10ドルを割った時代は1986年。
当時のソ連は現在のロシアと同じく、原油の輸出が盛んでした。
原油に大きく依存していたソ連は、原油安によって大きな打撃を受けていましたので、徐々に崩壊に向けて進んでいき、ついに1991年崩壊しました。
ここで似たような状況に陥っているのはロシアです。
ロシアの経済は原油価格が1バレル40ドルであれば通常通り回りますが、それを下回れば財政が厳しくなり、景気にも悪い影響を与えます。
これが現在10ドル台ですから、ロシアの勢いは弱まると思われます。
但し、経済が困窮し人々が貧しくなれば、危険な思想に与する人が増加する傾向があります。
例えば、国内の治安が悪化したり、クリミア半島に侵攻した時のように対外的に攻撃的になる可能性があります。
な~んと、ロシアによる侵攻(どことは書いてないけど)の可能性を示唆していました。
半分正解で半分外れ。
この時は原油安で、ロシアがやけくそになって侵攻する可能性があるって書き方でした。
実際は原油高(ウクライナに侵攻した2月24日時点で原油先物はすでに90ドルを超えていた)だったので、結果は当たってたけど動機は全然違いました。
見る人が見ればやっぱりモアぞうの予言は当たってません(すいません)。
まとめると‥‥世界情勢が緊迫している中で日本の立ち位置も大きく変わっていきます。
本当は金融政策だけではなく、国防に関してとっても重要な話は沢山あります。これも参院選の争点ですよね。
でも不動産投資には直結しない話題の為、また別の機会にします。
今日はこの辺で(雑な仕上がり‥‥)!
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